「脂っぽいものの食べ過ぎ」にブレーキ!やめられない!
を断ち切る「玄米」の力。

「脂っぽいものの食べ過ぎ」にブレーキ!やめられない! を断ち切る「玄米」の力。

スナック菓子やケーキ、揚げ物・・・ 「ついつい食べ過ぎた」と後悔をしたことがありませんか? 脂肪がたっぷりの「高脂肪食」、実は、“食べ続けるとやめられなくなる”という、脳のメカニズムが分かってきました。「太る」だけじゃない「高脂肪食が引き起こす身体への影響」とその予防法について、小塚先生にお伺いしました。

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お話を伺った先生

小塚智沙代先生
琉球大学大学院医学研究科
内分泌代謝・血液・膠原病科学講座 (第二内科)

平成20年京都大学医学部保健学科卒。平成22年京都大学大学院医学研究科修士課程、平成25年琉球大学大学院医学研究科博士課程修了後、日本学術振興会特別研究員PDを経て、現在に至る。2015年度 日本肥満学会 日本肥満学会若手研究奨励賞 (YIA)など、多くの賞を受賞。肥満・糖尿病の改善につながる食の研究を行っている。 第4回ロート女性健康科学研究助成受賞

高脂肪食に潜む危険

高脂肪食はどのような食べ物でしょうか?また、どんな点が問題なのでしょうか?

小塚智沙代先生 高脂肪食とは、イメージ通り脂肪分の多い食べ物、ポテトチップ、ケーキなどのこと。「不健康」なイメージがあると思いますが、高脂肪食が完全な悪者とは思ってはいません。問題なのは、日常的にこのような食品を摂りすぎてしまい、炭水化物・脂質・タンパク質などのバランスが悪い状態になること。近年、誰もが24時間安価に、脂肪分の多い食べ物を取る機会が増えたという点は、注意しなければいけません。

高脂肪食を「日常的にとり過ぎてしまう」と、身体にどのような影響がでるのでしょうか?


小塚智沙代先生 肥満や糖尿病など、贅沢病と言われる生活習慣病のリスクはもちろんですが、実は、「依存性」の高い食べ物ということも大きな問題です。つまり、食べ続けると「もっと食べたくなる」ということ。高脂肪食を思い浮かべると、何故かまた欲しくなる、一口でやめようと思っていたのにたくさん食べてしまう、というす食べ物が多いのではないかと思います。

「つい手が止まらず食べすぎた!」という経験、私もあります。なぜ食べすぎてしまうのでしょうか?

小塚智沙代先生 高脂肪食は、「報酬系」という脳の機能に強く作用し、依存状態に陥りやすい食べ物だからです。
「報酬系」は、食べ物を食べると嬉しいと感じ、必要な量を食べると満足するという機能。ヒトを含め、すべての動物に備わっています。しかし、同じ刺激ではこの「報酬系」が反応せず、満足できなくなってしまいます。これを「依存状態」と言います。
「食べ過ぎてしまう」という行動は、すでに同じ量の高脂肪食を食べても脳が期待したほどの満足感が得られにくくなっていて、脳がもっとほしいと訴えているのです。依存状態に陥りやすいと言われる、煙草に含まれるニコチンや麻薬のコカインなども、この「報酬系」に強く作用し、日常では得られない満足感をもたらします。

なるほど、高脂肪食は「もっと食べたい」という悪循環に陥りやすい食べ物ということですね。

小塚智沙代先生 はいそうです。
しかし、麻薬のように急速に強い依存状態を作るわけではないことも過去の研究結果からわかっています。高脂肪食は、長期間かけて徐々に依存状態を作っていきます。つまり、食べることが悪いのではなく、食べ続けないことが大切なのです。気づいたときに「このまま食べ続けていてはダメだな」「食べ過ぎないようにしよう」と自分の食生活を振り返ってみることが大切です。

「食生活を見直す」ことは、なかなかむずかしいという方も多いと思います。どんな点に注意したらよいのでしょうか?

小塚智沙代先生 そうですね。「食欲」は生きるために不可欠な三大欲求の一つ。むずかしいのもわかります。
私自身も食べることが大好きなので、できる限り我慢せず食生活を改善していきたいという思いから、「食行動と高脂肪食」の研究を進めてきました。研究を進めていくにつれ、玄米のγ(ガンマ)-オリザノールという成分が、高脂肪食に対する過剰な食欲を抑えることが分かりました。日々の食生活に、簡単に取り入れられる食材として、非常に注目しています。

発見!研究から分かった「玄米」の力

玄米に、高脂肪食を食べ過ぎるのを抑える働きがあるのですね?

小塚智沙代先生 はいそうです。
マウスを使った動物実験のレベルでは、玄米やその有効成分であるγ-オリザノールを摂取することによって、高脂肪食に対する過剰な欲求を抑え、普通食を好んで食べるようになることが確認されています。まだ、ヒトでの効果は確認できていませんが、玄米を食べるようになって揚げ物を食べなくなった、コンビニエンスストアで余計なものを買わなくなったと仰る方もいらっしゃいますので、おそらく食生活に玄米を取り入れる程度の摂取量でヒトでもある程度の効果はみられるのではないかと考えています。


他の穀物でも、同じような「食べ過ぎ」を抑える効果は見られるのでしょうか?

小塚智沙代先生 いいえ、「γ-オリザノール」が含まれている「玄米」特有の効果と考えてください。 もちろん、他の穀物でも全粒穀物の状態で摂取することで、食物繊維をはじめとして栄養成分が高まるということは多く報告されていますし、今後、似た効果を持つ物質が見いだされてくるかもしれませんね。

女性が「高脂肪食の食べ過ぎ」に気を付けた方がよい時期はありますか?


小塚智沙代先生 妊婦の方は、とくに注意が必要です。
実は、お腹にいるときのお母さんの食生活は、子供の食の好みに影響を与えます。私たちの研究では、動物実験での結果ですが、妊娠中にお母さんが高脂肪食を日常的に食べていると、生まれてきた子どもはお母さんが高脂肪食を食べていなかった子どもに比べて高脂肪食をより強く美味しいと感じ、食べ過ぎてしまうということがわかりました。また、幼少期の食生活も重要です。子供の頃に高脂肪食を食べすぎると、大人になったときに高脂肪食を食べても満足できない依存状態となり、高脂肪食がやめられなくなってしまいますので注意しましょう。

最後に、アドバイスをお願いします。

小塚智沙代先生 健康な身体への近道はなく、生活習慣を見直すことに尽きると思います。できるだけ身体によい食事をしたいと思ってもなかなかむずかしい。でも、肥満や糖尿病は食べ物が制限されるからなりたくない、と思っておられる方も多いのではないでしょうか。身体は、食べたものから作られます。脂肪分の多い食事、甘いものを食べないように心がけるのはよいことですが、最初から完全にやめてしまおうとは思わず、ストレスにならない範囲で減らしていくのがよいのではないかなと思います。玄米も、自分のライフスタイル・好みに合わせて、できる範囲で取り入れてみてください。

脂っぽい食べ物に「やめられなくなる」原因が潜んでいたとはとても驚きです。玄米は、食物繊維やビタミンE、マグネシウムなども豊富。積極的に取り入れて、脂っぽい食べ物に依存しないよう注意したいと思います。小塚先生ありがとうございました。

Summary
この記事のまとめ

  • 過剰な高脂肪食は、脳にエラーを起こして食欲を抑えられなくなる!
  • まずは自分の食生活をコントロールすることが大事
  • 玄米をできる範囲で上手にとりいれて!

この研究は、第4回ロート女性健康科学研究助成を受賞しました。より詳しい内容はこちらへ

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